少し前に、サーキット走行専用車フェラーリFXXに替わる、次世代マシンのテストベッドともいえるフェラーリ599XXが国内発表されたけど、これがとんでもない化け物!
リアピラーに、リアウイングへ気流を導いてダウンフォースを高める整流板=ディフレクターが付いていたり(F1の空力理論を応用)、リアディフューザー下部に、気流をファンで吸い出してダウンフォースを高めるアクティフロー・システムなるものが搭載されていたりと、まさに先端技術の固まりみたいなマシンだ。
それにしても、このアクティフロー・システムについて、天才ゴードン・マーレイが設計した奇抜なF1マシン「ファンカー」ことブラバムBT46/Bを例えに挙げる記事があったけど、それはちょっと違うような・・・。
ブラバムBT46/Bは、マシン下面を密閉し、巨大なファンで空気を強引に吸い出すことで内部を負圧にしてマシンを路面に吸い付けたらしい。(ようするに巨大な掃除機みたいなもの)
でも599XXのアクティフロー・システムは、これとは根本的に異なる理論を応用している。ディフューザー内部、マシン下面にぶつかって速度が遅くなる側の気流、いわゆる境界層を数多くの小穴からポンプで吸い取ることで、マシン下面全体の気流速度を高める層流制御を行っているはず。(説明が下手ですみません)
マシン下面の気流速度が高まれば、ベルヌーイの定理で下向きのダウンフォースがより大きくなる。とにかくコーナリング性能を向上させるために、ダウンフォースを最大限に高める構造になっているわけ。
F1のレギュレーションではポンプなどで層流制御を行うことは禁止されているから、ある意味F1マシンよりも高度な自動車といえる。最近のF1は、技術的にはどんどん退化してきているのだ。
この層流制御は、航空機の世界ではジェットエンジンにより速い流速の空気を取り入れたり、翼面の気流を制御したりと昔から採用されている理論だ。分かり易い例としては、1950年代に設計されたF-4ファントム戦闘機がある。ファントムのエアインテーク前、ダイバータ(境界層隔壁)周辺には、数多くの小穴が空けられていて、境界層を吸い込むような構造になっている。
何の技術的な制限がない戦闘機の世界では、際限なく空力理論の研究が進んでいて、もはやダイバータはステルス性に影響が出ると言うことで廃止されて、F35ライトニング2などの最新世代戦闘機では、ダイバータレス・スーパーソニックインレットが主流になっている。これは、インテークの前の張り出しによって境界層を弾き飛ばす構造になっているらしい。
もう常人には理解不能というか、スーパーコンピュータによる長時間のCFD空力解析が駆使された、人類の英知を尽くした最先端マシンという感じです。
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