可夢偉9位入賞&ザウバーがコンストラクターズ選手権で7位確定は嬉しい!来年に向けて上り調子でシーズンを終えることが出来たのは非常に良いし、可夢偉選手のキャリアにとっても良かった。
ホットブローを使用したブロウンディフューザーなしでトロロッソを上回ることが出来たということは、レギュレーションで禁止となる来年は、マシン開発的にも有利になる。
とはいえ、またレギュレーションの穴を突いたデバイスが表れる可能性は高いわけで、そうしたデバイスを積極的に研究開発してゆくことも重要だろう。(ザウバーは2010年のFダクトもいち早く採用したので、そのあたりは得意なはず)
アブダビのヤスマリーナサーキットは、昨年、フェラーリのアロンソがルノーのペトロフを最後までオーバーテイクすることが出来なかったことで(そのためアロンソは4位以内に入賞できず、ドライバーズタイトルを逃してしまった)、退屈でヘルマン・ティルケの凡作という評価を受けてしまった。
今年はその汚名を返上すべく、DRSゾーンを2か所設置して、オーバーテイクの増加を狙った結果、演出されたものとはいえ、かなり面白い戦いが展開された。
DRSゾーンはターン7、8とターン10に設置されたのだが、連続した2か所に設置されたということは、最初にオーバーテイクされても、すぐに抜き返すチャンスがある。最初で仕掛けるか、2回目で仕掛けるか、そのあたりの駆け引きが心理戦として面白いのだが、人工的なオーバーテイクだと表現されたDRSも、マシン性能の差を補完して、ドライバー同士の心理戦とスキル勝負の機会を生み出したという意味では成功なのではないだろうか。
決勝レースはハミルトンが優勝したが、ベッテルがパンクチャーで早々に戦線離脱したことも大きな要因だった。ハミルトンのドライビングは、タイヤから最大限のパフォーマンスを引き出すかわりに、タイヤの摩耗に厳しいのだが、ラップリーダーとなったことで、速いマシンを追い上げる必要はなく、速さで劣るフェラーリを意識しつつ、無理のないドライビングが可能となったのである。
このベッテルのパンクチャーはいまだ原因不明だが、一気にタイヤが崩れたので、溝のある縁石に乗った際、横をヒットしてリムとタイヤとの間にダメージを受けた可能性はないだろうか?
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上位陣は、それぞれマクラーレンのハミルトンとフェラーリのアロンソ、マクラーレンのバトンとレッドブルのウェバーとの戦いとなったが、両方の戦いとも、ピットストップのタイムロスが勝負を決めるきっかけとなった。ヤスマリーナのピットレーン出口は、一旦トンネルを下り、コースを跨いでからレーンに戻るためにタイムロスが多いので、ミスによるさらなるタイムロスは、かなりのダメージとなる。ウェバーはピットストップのロスの後、3回ストップ戦略でマシン性能を最大限発揮する作戦をとったが、バトンに追いつくことはかなわなかった。
またアロンソはHRTのマシンにピット入口で引っかかってしまったが、マクラーレンにマシン性能で劣り、また日没で気温が下がりハードタイヤの性能低下に苦しんだため、この時点で優勝の望みは絶たれたと言えた。
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小林可夢韋選手が8ポイントぶりに入賞したことは嬉しい結果だった。ザウバーの相対的な戦闘力低下は著しく、インドGP終了時点で、直近のライバルであるフォースインディアにはコンスラクターズポイントで追い抜かれ、トロロッソにも同点で並ばれてしまっていた。
コンストラクターズ選手権の順位で換算すると、この数戦で10億円近くの損失を出している状況だが、これ以上の損失を回避するために、何としてもトロロッソ以上の順位でフィニッシュする必要があったのである。
とはいえ、トロロッソがエキゾーストに継続的に改良を加えている一方で、ザウバーにはアップデートパーツがないという状況では、適切なタイヤセッティングを見つけ、他チームと外したレース戦略をとるしか方法はないのが辛いところだった。
ザウバーC30とトロロッソSTR6とは同じフェラーリエンジンを搭載するが、空力的にはSTR6の方が洗練され、さらにSTR6には排気を利用してディフューザーのダウンフォースを増加するフロア吹付型(フロアに埋め込んだ、つぶれた形状の排気管から、加速した排気をリアディフューザーに吹き付ける)のブローン・ディフューザーも装備されている。
ザウバーはレギュレーションで禁止されることを予想し、開発費の節約のために早々にフロア吹付型のブローン・ディフューザーの開発を止めてしまったことが、予想以上の戦闘力低下を招いてしまった。(フロアの熱対策や、効果的な吹付のためのエキゾーストパイプの形状開発など、かなりの開発費がかかる)
相対的にザウバーC30は、速さでもダウンフォースでもかなり見劣りするのだが、それでも決勝レースではエンジンマッピングの制限で予選ほどには排気を利用できないので、トロロッソに食らいつくだけの戦闘力は期待できた。
可夢偉選手は、タイヤに優しいというマシンの特徴を生かし、グリップ力のあるソフトタイヤを長めに使うという作戦で、トロロッソの前の10位でフィニッシュすることが出来た。気温が下がったことで、ソフトタイヤが保ったことも有利に働いたが、4番手のファステストラップを記録したのも素晴らしい。
もちろんトロロッソのブエミのマシンに油圧トラブルが発生し(来年のシートが保証されておらず、今回の結果でシートを失う可能性が高まったブエミ選手が泣きそうになっていたのは気の毒だった)、アルグエルスアリにはピットストップロスがあったことは幸運だった。
この勢いで、ザウバーにはトロロッソを何とかポイントで上回って欲しいところである。
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ドライバーズとコンストラクターズの両チャンピオンシップが決定しているので、各チームは来年度のマシン開発に完全に移行しているが、フリー走行では、来期用のパーツ、特にフロントウイングを先行テストしている。
来年のレギュレーションでは、エキゾーストパイプをカウル後端にレイアウトしなければならないため、エンジンからの排気を利用したブローン・ディフューザーは制限されてしまう。
※ウィリアムズがテストしたような、カウルから上方に飛び出したレイアウトの場合、排気をディフューザー以外のリアウイングやロワーウイングに向かって吹き付けることは可能なので、完全に排気ソリューションが封じられたわけではない。
リアディフューザーのダウンフォースが大幅に減少するため、ダウンフォースを回復させるためには、ディフューザーにより多くの気流を導く必要がある。そのためには気流の導入部であるフロントウイングがポイントになる。
フロントウイングには、それ自体でダウンフォースを発生させる、フロントタイヤの空気抵抗を減らすために気流をマシン外側に逸らす、リアディフューザーへ気流を流すために気流をマシン下部に誘導する、という機能がある。
フロントウイングの面積には制限があるので、それぞれの機能を、どれだけ優先させるかが重要だが、メインプレートはよりフラットになり、マシン外側に気流をそらすエンドプレートは重要性が下がり、単純な形状のものになっていることから、マシン下部へ気流を誘導する優先度を上げているようである。
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またメルセデスGPが試作したフロントウイングは、昨年メルセデスGPが導入していたパッシブ型Fダクトの機能を内蔵していた。
Fダクトは、中空にしたリアウイング内に空気を充填し、一定レベルまで圧力が高まると細いスリットから気流が吹き出し、リアウイング表面に流れる気流を引きはがしてダウンフォースを失わせるデバイスだった。
メルセデスGPのものはパッシブ型で、ドライバーの腕や足で気流経路を変えて圧力をコントロールするのではなく、マシンのスピードによるラム圧の上昇でウイングから自動的に気流を吹き出させるタイプだった。(あまり上手くいかなかったようだが)
試作フロントウイングは、これを応用型だと思われる。ノーズコーン先端の穴から空気を導入し、ウイングステー内の空気ホースを通して、フロントウイングの中空メインプレーン内に充填、スピードが高まるとラム圧が上昇することを利用して、ウイング後部スリットから気流を吹き出し、フロントウイング表面に流れる気流を引きはがしてダウンフォースを失わせ=スピードを増加させるものなのだろう。
どれだけ圧力が高まったら気流を吹き出させるかという設定は、サーキットによって異なるだろう。つまりコースによってストレートスピードが異なるので、それぞれ微妙に調整する必要があるのだろう。
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フェラーリのフロントウイングは、走行中に盛大にたわんでいるが、これはフレキシブルウイングのテストであることは明らかだろう。(マクラーレン代表も、秘密でもなく原因は明らかだと述べている)
フロントウイングを地面に近づけ、グラウンドエフェクト効果によるダウンフォースを増加させるフレキシブルなウイングを形成するためには、繊維方向の異なるカーボンファイバーを上手く組み合わせることで、ウイングにストレスがかかった場合に、上手くねじり下がるような構造が求められる。
だが構造が弱いと、航空機のフラッター現象のように、ウイングの固有振動数とウイングの揺れが同調し、振動が増幅されてしまう現象が発生する。ウイングは手作業によるハンドレイアップでカーボンを張り込んでゆくので、品質を一定にするのも難しいが、フェラーリはレッドブルのようにまだ強度を保ちながらねじり下がる構造設計が実現できていないようである。(メインプレーンに補強パッチを充てても改善されなかった)
唯一のナイトレースであるシンガポールGPだが、問題となったのは夜という時間帯ではなく、公道に設置された簡易縁石であった。瓦のように重ねて設置される高い縁石は、マシンが大きく跳ねたり致命的なダメージを与えてしまうため、縁石を利用することが得意なドライバーにとっては嫌なコースである。
今回、皮肉にも縁石を使うことが得意な可夢偉選手が、縁石に乗り上げてクラッシュしてしまったが、もともとザウバーC30は段差が苦手で、縁石を乗り越える際に、グリップが失われることも問題だったのだろう。
とはいえターン10のシケインは壁にも近く、コントロールを失うとほぼリカバリが不可能なので、今後改善が必要なポイントではないだろうか。
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今期のチャンピオンシップ争いは、99%レッドブル+ベッテルで決まっているため、フェラーリはタイヤ評価の時間を減らして、現行マシンを来年度のマシンのテストベッドとして開発パーツのテストを行っていた。
新型フロントウイングやリアウイングを持ち込み、気流の流れを可視化する液体フロービズを塗布して性能評価を行ったが、来期マシンは、レッドブルRBマシンが採用するプルロッドを取り入れつつ、空力的に野心的に開発を行うそうで、開発のためのデータを少しでも多く拾っておきたいのだろう。
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また下位チームの場合は、解析能力の欠如と開発リソース不足から、まだ開発領域が残っており、コンストラクターズの順位をひとつでもあげるためにアップデートを持ち込んでいるチームもある。特にウィリアムズは、フロントウイング、フロア、リアウイング、クーリングパッケージ、燃料タンクというように、空力設計をやり直したような改良を施した。現チーム・ロータスのマイク・ガスコインも以前からウイリアムズは空力が弱点と述べているが、来年度のパフォーマンス改善のためにも、スタッフの空力解析の経験値を上げておきたいところだ。
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2012年は、今期からレギュレーションが大幅に変わることはなく、ブローンディフューザーの廃止(排気管をマシンのリアエンドに配置しなくてはならない)、サスペンションのアップライト(サスペンションアームを接続するパーツ)の面積の制限(過去にトロロッソでアップライトが破壊される事故があったが、安全性への考慮だろう)などで、エンジンを含めてかなり似通ったレギュレーションである。
レッドブルRB系マシンは継続的に前年度のマシンを改良してきたことで完成度を高めているが、素性の良いマシンならば、正常発展させることで、マシンの完成度と相対的なパフォーマンスの向上を果たすことができる。
フェラーリやウィリアムズは、よほど努力しないとレッドブルをキャッチアップすることは難しいだろう。一方マクラーレンがMP4-26の正常進化版だとすれば、来期にレッドブルを打ち負かす可能性は最も高いのではないだろうか。(ハミルトンも、継続性の重要さを訴えていた)
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来期のテストを行ったとはいえ、フェラーリは排気管を絞り込んでエキゾーストを加速してダウンフォースを増す改良を行い、(F1公式サイト)マクラーレンも排気管を延長した上で、リアディフューザーにはレッドブルのようなガーニーフラップを追加してダウンフォースを増していた。(F1公式サイト )
しかし、レッドブルもチャンピオンシップを盤石のものにするべく改良を継続し、リアのブレーキダクトにフィンを追加してダウンフォースを増し(F1公式サイト)(デザイナーのエイドリアン・ニューウェイは、このようなパーツによる重量増加を嫌うのだが、たいていシーズン最後にはフィンを追加している。)さらにリアへより効果的に気流を流すために、気流の導入部であるフロントウイングを改良してパフォーマンスアップを図っていた。(F1公式サイト)これはエイドリアン・ニューウエイが語っているように、来年度のRB8のテストも兼ねているのだろう。来期はブローンディフューザーで気流を加速したり誘導することが禁止となるので、いかに気流を上手くリアに誘導するかが今期以上に重要になる。
RB7は万能型のマシンとクリスチャン・ホーナーは絶賛していたが、フロントウイングやフロア、リアウイングの異なる組合わせであらゆるサーキットに対応しているわけで、RB8も同様のコンセプトで万能のマシンを完成させるつもりなのだろう。
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ストリートコースであるシンガポールでは、モナコのように最大ダウンフォースをつける必要があるが、摩擦係数が高い路面のため、やはりタイヤの使い方がポイントとなった。
各チームの明暗が分かれたが、各チームのコメントを確認すると、基本的にマシンのダウンフォースの優劣に従ってタイヤの摩耗に苦しんでいることが分かる。レッドブルに追いつくためにはタイヤのグリップを増さないといけないが、メカニカルでそれを補おうとする手法は、構造が弱いピレリタイヤとは相性が悪いようである。
その意味で、今回のレースもレッドブルが支配していたが、シーズンも後半戦となり、ピレリタイヤの特性もほぼ理解できた現在、タイヤ戦略でサプライズを起こすことも出来なくなってしまったとも言えるのではないだろうか。
■レッドブル
セバスチャン・ベッテル
「マシンはずっと素晴らしかった。プッシュする必要があるときには楽に引き離すことができたことは助けになった」
クリスチャン・ホーナー
「今日はわれわれの方がフェラーリよりタイヤへの負荷が少なかった」
■マクラーレン
ジェンソン・バトン
「マシンとタイヤを管理するように言われていた。ラスト12周がプッシュできた唯一の時はスーパーソフトでセブを追っていた時だったが、全力を尽くしたけど最後までギャップを縮めるペースがなかった」
■フェラーリ
フェルナンド・アロンソ
「スタートで履いたスーパーソフトはデグラデーションが激しかったが、ソフトはレッドブルやマクラーレンと比較しても普通だった。
パット・フライ
「タイヤのデグラデーション、特にスーパーソフトのそれはかなり激しく、その理由を探る必要がある」
■メルセデスGP
ニコ・ロズベルグ
「レース中はリアエンドが苦しく、僕らのクルマは最後までこのコースに合わなかった。周囲のクルマよりタイヤのデグラデーション問題を抱えていた」
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次戦が日本GPということで注目度も上がっている小林可夢偉選手だが、今回は予選クラッシュに加えて、戦略の失敗で散々な結果となった、
マシンのパフォーマンス不足がギャンブル的な作戦を強いていることが原因であるが、レースエンジニアのフランチェスコ・ネンチ氏も、自分の評価を上げるためにはよりポイントを稼がなくてはならないわけで、これまでの失態の汚名返上を考えているというところだろうか?鈴鹿には前々から用意していたアップデートを持ち込むそうなので、まずはマシンのポテンシャル以上の劇的な結果は望ます、確実に入賞することを狙って欲しいものである。
F1サーキット随一の高速コース、モンツァ・サーキットで開催されたイタリアGPは、多くの接近戦が繰り広げられた結果、非常に面白いレースが展開された。
チャンピオンシップ争いは、ほとんどセバスチャン・ベッテル&レッドブルの勝利に決定しているが、その事実が却ってドライバー達をアグレッシブに駆り立てている理由ともなっているのが面白い。しかも、ワールドチャンピオンシップを確実なものにしておきたい確実ベッテルすらも、攻めることを止めていないのである。
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モンツァ・サーキットのような超高速サーキットは長いストレートとシケインという、ストップ&ゴーという特性を持つが、それに対応するためには、加速力=トラクションと最高速を重視したセッティングが求められる。
最高速を伸ばすためには、なるべくダウンフォースを削り落とした方が良い。つまりダウンフォースは有害な抵抗にもなるのである。
セッティングで分かり易いのがリアウイングで、リアウイングのダウンフォースは主に迎角によって決まるため、角度を抑えればダウンフォースが減少し、抗力が減り最高速度は伸びる。そのため、ほとんど板に近いような「薄い」リアウイングを搭載するマシンが多かった。
またウイングには誘導抗力というものも存在し、翼端では下から上へと回り込む渦(翼端渦)が発生するが、この渦の進行方向を向いた成分が抗力となってしまうのである。これを防ぐためには、ウイングの前後の長さ(翼弦長)を短くしてやればよい。ロータス・ルノーは、前後長さをほぼ半減させていたが、前後の長さを短くすると気流が流れず絶対的なダウンフォース量が減少してしまうため、ウイングに後退角をつけてやり、翼端にゆくに従って前後幅を短くするようなテーパーをつけてやるソリューションもある。(フォースインディアが用いていた)
メルセデスGPは、かなり湾曲したウイングだったが(湾曲が大きいどダウンフォースは強くなる)、これは翼弦長を短くしつつ、ダウンフォースも得ようとする手法だろうか。
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モンツァでは、抗力を減らす努力が行われるが、今年はDRSという便利なデバイスがあり、コーナーではウイングを立て、ストレートではリアウイングを寝かせるというように変形させることができる。
つまりウイング特性を変化させることが出来るのだが(これは去年流行した、ウイングの気流を剥離させてダウンフォースを失わせるFダクトも同じである)、レッドブルやマクラーレンなどはDRSを最大限に生かした、リアウイングを立てたセッティングであった。ダウンフォースがあれば、コーナーを安定して高速でクリアすることが出来る。
特にレッドブルRB6は、全マシン中最強のダウンフォースを誇るが、その特性を殺すのではなく、逆に生かすことでトップに君臨したのである。
RB6はダウンフォースの高さゆえに空気抵抗も大きいため、レース前には、マクラーレンやフェラーリといったライバルと比較して不利ではないかと予想されていた。RB6を最もよく知るベッテルですら、そう考えていたのだが、レッドブルの技術陣は、事前のシミュレーションで、高速サーキットが苦手なはずのRB6にも勝算があることを導き出していた。
セオリーである最高速重視のセッティングを捨て、6速、7速のギア比を加速重視のクロースレシオに設定し(5速に近いため、断続的に加速できる)、RB6の長所であるトラクションを最大限生かす加速重視のマシンに仕立て上げたのである。その分、回転数の上限であるリミッターに当たってしまい、エンジン、ギアボックス共に負担をかけてしまうのだが、信頼性の高いエンジンとギアボックスはトラブルを起こさなかった。
マシン全体が発生する強大なダウンフォースを生かし、コーナーを高速で通過することに焦点を当てた戦術であった。
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信頼性といえば、ザウバーがギアボックストラブルでリタイアしたのは残念だった。もともと抗力が大きいザウバーC30は、ダウンフォースを減らすことでモンツァに対応したのだが、その分減速力は落ち、ブレーキやギアボックスに、かなりの負担がかかる。そのあたりの負荷がギアボックスのトラブルの原因だと推測される。
ザウバーC30の相対的な戦闘力低下は、日本人ファンにとっては悲しいことである。上位モデルであるレッドブルRB6のソリューションを取り入れて、戦闘力をアップさせているトロロッソSTR6や、抵抗とダウンフォースとのバランスを改善させてきたフォース・インディアに負けてしまったいるのだが、来年度のマシンC31に注力するジェームズ・キーに代わって、C30の運用を任せているジャンパウロ・ダラーラによれば、まだポテンシャルはあるようで、最後のアップデートとなる鈴鹿仕様には期待したいところである。
もちろん、モンツァとはまったく逆の特性を持つシンガポールGPでも期待は持てるだろう。
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レース展開は、ファーストコーナーから、芝生に乗り上げ、コントロール不能に陥ったHRTリウッツィのマシンが3台を撃墜するアクシデントから始まったが、これがその後のバトルのきっかけともなった。
このスタートは各上位ドライバーも面白かったと述べているが、タイトなスペースの中で、周りのドライバーの動きを瞬時に把握、予測して出
来るだけ順位をハイライトはシューマッハ VS.ハミルトンで、良い意味でも悪い意味でもアグレッシブさに定評のある二人の戦いは、シューマッハの執拗で違反ギリギリのブロックと、何度も攻撃を仕掛けるハミルトンの攻防が、観客だけでなくF1関係者も興奮するほどだった。
さらに追いついてきたジェンソン・バトンも追いついてきて戦いに加わったが、冷静にシューマッハとハミルトンの戦いを分析し、漁夫の利を狙い、バトルの間の2台の隙を突いてあっさりとオーバーテイクを完了させた。この意外性も興奮を演出していたのではないだろうか。
3人のワールドチャンピオン経験者だからこそ成し得るストーリーだったと言えるが(途中で接触、クラッシュで終わってしまっては台無しだ
っただろう)、
合間に挿入されるロス・ブラウンのスチュワードへのアピールとしての「十分なスペースを空けろ」との通信も、緊張感を増していたが、素人からすると、このようなバトルが楽しめるならば、十分なスペースを空けなくても良いと思ってしまう。もちろん安全性を考えると2台
が併走出来るスペースをわざと狭めたシューマッハの行為は問題だったのだろう。
レースの本質とは何か、考えさせられたバトルだった。
有名な玩具メーカーであるグッドスマイルカンパニーは小林可夢偉選手のパーソナルスポンサーなのだが、小林可夢偉選手のねんどろいど(デフォルメフィギュア)やfigma(フル稼働フィギュア)、さらにはリアルな1/8フィギュアが発売されるらしい。
いまやスーパーGT300では痛車が当たりまえで、可夢偉選手もキャラクターがレイアウトされた痛F1マシンはありではないかと語っているが、逆にスタードライバーのキャラクター化も自然な流れといえるのだろう。
日本人ドライバーが所属しているにもかかわらず、ザウバーチームをスポンサードする日本企業はほとんどない状態だが、何かキャラクターを媒介として応援という形態をとれば、話題性などから突破口が生まれるかもしれない。
個人的な要望としては、やはりペーター御大とモニシャ女史、ジェームズ・キーのフィギュアも欲しいところ。同スケールのザウバーC30と並べれば、ストーリー性があるディスプレイが可能となるのではないだろうか。
グッドスマイル様いかがでしょうかw?
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